2005年4月11日(月)「しんぶん赤旗」
国保料
徴収強化へ新手法
厚労省 5月に研究会発足
高すぎて払えないと悲鳴があがっている国民健康保険料(税)。厚生労働省は、携帯電話の料金と一緒に請求するなど新しい保険料徴収方法を検討する「次世代国保収納システム研究会」を、五月に発足させます。
自営業者やフリーターなど約四千六百万人が加入する市町村の国保の保険料は、滞納者が増え続けています。昨年六月時点で、国保料を払えない滞納世帯は約四百六十万世帯でした。加入している全世帯の二割にあたります。
研究会は、とくに未納が多い若者からの国保料の取り立てを強化するため、国民健康保険中央会に設置します。携帯電話やクレジット会社、債権回収業者なども参加する予定です。国保中央会は、滞納者を敵視する立場から「心理的圧迫を与えよ」など取り立ての手法を詳述した「滞納整理マニュアル」を発行した団体です。
研究会では、国保料を携帯電話の料金と同時に請求することや、クレジットカードで支払うなど新しい徴収方法を検討します。また、都道府県ごとに「収納センター」を設けて滞納者への督促や預貯金の差し押さえなど強制徴収を行うことや、民間に委託して、滞納者に保険料を支払うよう電話で促す「収納コールセンター」の設置なども議論します。
厚労省は、国保を運営する市町村に対しても収納率をあげるための「収納対策緊急プラン」の策定を求める通知を出しています。たとえば、一年以上国保料を払っていない人が千世帯を超える市町村では、滞納処分の専門部隊を設けるなどの対策をとるよう例示しています。