2005年4月11日(月)「しんぶん赤旗」
沖縄海兵隊
12年からオスプレイ
配備計画 基地強化・事故増加も
米海兵隊が、沖縄県の普天間基地(宜野湾市)に配備している海兵中型ヘリコプター中隊のCH46E中型ヘリについて、二〇一二年から最新鋭の垂直離着陸機MV22オスプレイへの転換を計画していることが分かりました。米海兵隊が今月上旬に発表した「海兵隊航空計画」に盛り込まれていました。
開発中のオスプレイは、CH46Eヘリなど従来の輸送ヘリに比べ、侵攻能力が飛躍的に向上。一方で、試験飛行中に相次いで墜落事故を起こし、これまでに計三十人の乗員が死亡しています。オスプレイへの転換は、基地機能の強化と事故の危険性のいっそうの増大につながります。
「海兵隊航空計画」は今後十年の保有航空機の配備計画などを示したもの。それによると、普天間基地に配備している二つの海兵中型ヘリ中隊のうち、(1)第二六二海兵中型ヘリ中隊のCH46Eヘリ(十二機)は二〇一二年四月から、(2)もう一つの第二六五海兵中型ヘリ中隊のCH46Eヘリ(十二機)は同年十月から、オスプレイへの転換を開始。それぞれ一年三カ月をかけて転換を完了します。
普天間基地に配備している第一五二給油輸送中隊のKC130空中給油機十二機(F型/R型)も〇七年十月から順次、最新型(J型)に更新していきます。同機はオスプレイの導入も想定し、給油能力などを大きく向上させています。
日米両政府は現在、普天間基地に代わる新基地建設計画(沖縄県名護市辺野古沖)を進めています。一方で、辺野古沖の新基地完成までには今後十数年かかることから、計画を見直し、普天間基地のヘリ部隊を沖縄県内の別の基地などに移転する案も検討しています。いずれにせよ、ヘリ部隊の移転にとどまらず、オスプレイ部隊の配備が狙われることになります。
MV22オスプレイ 両翼のローターを動かすことで、ヘリコプターのように垂直に離着陸したり、固定翼のプロペラ機のように飛行したりすることができます。海兵隊員や装備を輸送し、敵地への遠征強襲作戦などを行うのが任務です。
巡航速度は時速四百六十キロ、積載量は五トン、自力展開能力は三千九百キロに及びます。今年三月末に最終テスト(運用評価テスト)の段階に入り、年末に全面生産の可否の決定がされる予定です。