2005年4月10日(日)「しんぶん赤旗」

9条なくなれば重大

長野で加藤周一さん講演


 長野市で九日、「九条と国際貢献」と題して、加藤周一憲法講演会が開かれ、約三百五十人が熱心に耳を傾けました。

 信州自由学舎(色平哲郎代表)と憲法学者の奥平康弘さんらが呼びかけ人の同講演会実行委員会と憲法九条を守る県民過半数署名をすすめる会の共催。

 加藤さんは、「国際貢献は軍事力だけでなく、いろんな貢献がある」と述べ、南北格差解消の問題などを例にあげ、「これらにはまったく軍事力は必要としない」と指摘。「第二次大戦後に戦争という、武器を使って目的を達成した例はほとんどない」と述べ、「自衛隊派遣のために国際貢献をつかうのは間違い」と批判しました。

 さらに、「戦後、日本が戦争に巻き込まれなかったのは、九条の制約があったから」と述べました。「現在の日本の状況では、九条をなくし、平和がなくなれば、人権と民主主義はなくなる」と指摘し、「九条がなくなれば結果は極めて重大なだけに、ここに集まった人に考えてほしい」と呼びかけました。

 薬害エイズ被害者の川田龍平氏との対談では、政府の動きを伝えないマスコミの問題や戦争責任や薬害エイズに関する政府の無責任さが浮き彫りになりました。このなかで川田さんは、国会ではいろんな法律ができているが、国民にはよく見えない、それがわかるのは「赤旗」だけですと述べました。

 東御市から参加した男性(40)は「九条をなくすと平和だけでなく人権も守れないという話が胸に落ちた」と話しました。


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