2005年4月10日(日)「しんぶん赤旗」
世界は新しい時代を迎えている
日本AALA50周年 不破議長が講演
平和・自決の流れに共感と確信
日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(日本AALA)は九日、「バンドン会議五十周年・日本AALA創立五十周年記念講演会」を都内で開きました。日本共産党の不破哲三議長が「アジア・アフリカ・ラテンアメリカ――いまこの世界をどう見るか」と題して講演。躍動する世界を、それぞれの大陸の歴史に分け入って壮大に描き出した話に、北は北海道から南は沖縄まで、全国から集まった千九百人の聴衆が熱心に聞き入りました。
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講演会には、ゲストとして招待された十一カ国・十二人の各国大使や外交官が参加しました。
「二十一世紀、人類社会は、すべての国民が自分の国の主人公となるという、本来の姿を取り戻した」。講演をこう切り出した不破氏は、(1)いまは世界のすべての国民が自国の主人公になる時代(2)世界の平和秩序に果たしているAALAの役割(3)日本共産党の野党外交の経験(4)二十一世紀の世界の展望に関連して―の四つの柱について解明。各国の新しい動きを生き生きと紹介しながら、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ世界は「現在の地球でもっとも活力ある部分で、人類の未来史につながる多面的な可能性が存在している」とのべました。
不破氏の講演に先立ち、日本AALA代表委員の長谷川正安・名古屋大学名誉教授が「連帯委員会の創立にかかわって」と題してあいさつ。五十年前にインドネシアのバンドンで開かれた国際会議が植民地の解放と世界の平和秩序をすすめる原則を打ち出して成功した土台に民衆レベルの運動があったことを紹介し、AALAの運動の前途に期待を込めました。
秋庭稔男・日本AALA理事長は閉会あいさつで、各国大使館のゲストと非核・非同盟を願う日本国民が、非同盟諸国会議への日本の参加を綱領に掲げる日本で唯一の政党の責任者の講演を聞いたことは「かつてない歴史的な経験」とのべました。講演終了後、ゲスト参加した外交団との懇談会が開かれました。
宮城県から参加した大学四年生の加藤亮介さんは、「国内では少数派だなと感じることもあるんですが、われわれの活動は世界の流れに合致していると確信をもてました。『地球的に考え、地域で行動する』ことが大事だと思いました」と話していました。
水戸市から来た鈴木民美(ひとみ)さん(20)=専門学校生=は「AALAの国ぐにのエネルギーを力強く感じた」といい、「友人関係、就職など不安があったけど、世界の流れを聞いてこの状態が長く続くわけじゃないと分かった」と話していました。
懇談会に出席したキューバのエルナンデス大使は「ラテンアメリカの新しい発展についての不破議長の話はまさにその通り。南米は米国の裏庭から脱して社会的発展を遂げています」と指摘。南アフリカ共和国のングバネ大使は「世界の主要な問題の局面について、広範囲な内容にあふれていました」と感想を語っていました。
講演会にゲスト参加したのは両国のほか、コートジボワール、エジプト、インドネシア、ケニア、モザンビーク、スリランカ、タンザニア、ウクライナ、ベトナムの各国です。