2005年4月9日(土)「しんぶん赤旗」
韓国大統領
「日本は侵略正当化」
独紙で 欧州と対比して批判
【ベルリン=片岡正明】韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は訪独を前に、ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ八日付に掲載されたインタビューで、ドイツが戦後にフランスなどの隣国と和解し欧州連合(EU)形成を成し遂げたことを評価する一方、同じように侵略戦争を行った日本は「侵略戦争を正当化しようとしている」と非難しました。
同大統領は「ドイツが戦争の傷をどのように癒やし克服し、欧州統合を進めたのか」に特別に関心があると述べ、欧州と比較して「北東アジア、日本と中国、韓国の間ではまったく希望を抱ける兆候がない」と表明。日本とドイツの過去の克服の大きな違いとして、「問題は日本人が以前の侵略戦争を正当化しようとしていることにある」と指摘しました。
また「日本が若い世代に過去を賛美する教育を続けるなら、平和的将来への希望を台無しにする」と日本の歴史教科書を批判しました。
盧大統領は「日本がさまざまなやり方で謝罪してきたことは事実だが、最近の出来事は謝罪を無効にしてしまった。謝罪は、それに続く行動が謝罪を台無しにしない場合にのみ有効だ」と語りました。
同大統領は「われわれは永遠に不幸な過去を思い出したいのではない。しかし、日本が今のような態度をとり続けるなら、韓国人は(過去と)同じような出来事が繰り返される可能性に不安を覚える」と強調しました。
竹島(韓国名・独島)領有問題については、「日本の要求は侵略戦争の略奪品を返せということで、韓国国民は受け入れられない」と主張しました。