2005年4月6日(水)「しんぶん赤旗」
日航トラブル
整備二重点検が必要
仁比議員 政府の規制緩和が原因
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北側一雄国土交通相は五日、参院国土交通委員会で、日本航空の一連のトラブルについて、「航空の安全は利用者に対する最大のサービス。整備についてはダブルチェック体制が必要であり、経営トップと現場が一体となって取り組まないと解決しない」との基本姿勢を述べました。日本共産党の仁比聡平議員の質問に答えたもの。
仁比議員は、日航の一連のトラブルは政府が推進してきた規制緩和によって、安全運航より利益優先のためのコスト削減策が招いたものと指摘。整備部門ではこの十年間で社員を一人も採用せず、子会社化や外部委託、派遣労働者に置き換えてきたことで「技術が継承されず整備ミスを生みやすい構造にしてきた結果だ」と述べました。
北側国土交通相は「安全は最大のサービスであり、それによってこそ企業価値が高まることを指導していきたい」と答えました。
仁比議員は安全性を高めるために二重確認作業(ダブルチェック)をすべきだが、航空法施行規則を変更して作業実施組織とは別の組織による検査実施を削除してしまうなど、いきすぎた規制緩和が今日の問題を引き起こしているとただしました。
北側国土交通相は「(作業した組織とは)別の組織は置かなくてもよいが、ダブルチェックがいらないとはいっていない。重要な作業工程についてはダブルチェックが必要で指導していきたい」と答弁しました。
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仁比議員は同日、同委員会で航空法の一部改正案に関して、「航空機の設計段階から日本のメーカーに検査の一部を任せるというのは、(実績、経験からいっても)あまりにも無責任な姿勢だ」と批判しました。
岩崎貞二航空局長は「日本のメーカーはボーイング、エアバスの部品を生産しており、その実績を踏まえつつ、制度的にも整備の一部を任せるようにしていきたい」と述べました。