2005年4月4日(月)「しんぶん赤旗」

主張

改正育児介護休業法

誰もがとれるよう、まず活用


 育児や介護のために休暇がとれる育児・介護休業制度が改正され、四月一日から実施されました。

 一歳までの育児休業は、保育所に入れないときなどに半年間の期間延長が可能になりました。

 小学校入学前の子どもが病気・けがのときの看護休暇(年五日)も申し出によりとれます。

 一回のみだった介護休業も、通算三カ月以内で、介護が必要になるごとに分けてとることができます。

 これまで原則として適用外とされてきたパートや派遣、契約社員など、有期雇用の人たちにも育児介護休業制度が認められました。

 一歩前進と歓迎されています。

経済的支援求める声

 育児休業制度は、仕事と家庭生活の両立を求める切実な願いと運動をうけて、一九九二年に施行されました。以来、運動を積み重ねて、ここまで前進してきました。

 しかし誰でもとれるものにするためには、今後いっそうの改善が必要です。

 政府は少子化対策の重点施策を示した「子ども・子育てプラン」(二〇〇四年十二月)で、育児休業の取得率について、女性80%、男性10%の目標をかかげています。しかし現状は女性73%、男性は0・4%(〇四年)にすぎません。また結婚や妊娠で会社をやめる人も多く、全体からみると女性でも取得率は一割程度と推定されています。

 政府が本気でこの目標を実現するつもりなら、まず、休業中の経済的支援の拡充が必要です。少子化対策への意見でも、男女ともに「経済的負担軽減のための取組充実」が約七割でトップ(厚労省調査〇四年八月)です。

 ところが育児休業等で支給される給付金は、賃金の四割(休業中三割、復帰後一割支給)にすぎません。自治体のアンケート調査(広島県〇四年八月)でも、「金銭的な面で長期間は使いにくい」などの声が寄せられています。

 日本共産党は、当面六割の給付を提案しています。

 さらに適用が拡大された有期雇用の場合に、給付金の支給に厳しい条件がつけられたことも問題です。

 給付を受けるには、雇用保険に加入して、働いた実績と復帰後の見込みを合わせて四年間の雇用継続が必要とされます。パートや派遣労働者の実態に見合っていません。厚労省試算でも支給対象はわずか二千五百人です。

 現在パート等の短時間労働者は千二百万人を超え、うち四割以上が二十代、三十代です。賃金などの労働条件も低く、雇用も不安定です。給付金が支給されない人が生まれないよう見直しが急がれます。

 先のアンケート調査でも、「一年ではなく、もう少し長ければゆとりを持って子育てに専念できる」「休業後、職場に復帰する予定ですが、保育所の数が少なく、保育所に入れるか不安」などの声や要望が出されています。育児休業を一年程度まで延長できるようにすることや保育所の整備、看護休暇の日数を増やすなどの改善も必要です。

休めない職場環境では

 また、「男性も取得できると聞き、早速提案してみたのですが、実際には仕事が休めなかった」「女性が出産・育児をちゅうちょする現状」などの声は切実です。

 男女がともに育児休業をとれる労働条件づくりに、職場から声をあげ、制度の積極的な活用をすすめながらいっそうの改善、充実を求めていきましょう。


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