2005年4月3日(日)「しんぶん赤旗」
安心して歩けるはずが
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「ドーンという音がしたあとに外に出てみると、ひかれた人が倒れて血だまりができていた」――。二日朝に仙台駅近くの中心繁華街でおきたトラック暴走事件は、車が進入せず安心して歩けるはずのアーケード街を突然恐怖に陥れました。
事件がおきたのは、各店が開店準備に追われる午前九時過ぎ。土曜の朝で、通行する人はまばらでした。
「クリスロード」商店街にある靴店の女性店員は「サイレンの音がしたので店外に出るとひかれた男性と女性が倒れ、出血していた。消防隊員が『タオルが足りない』というので持って行った」と語ります。
車は「クリスロード」を走り抜け、県道を横断して「ハピナ名掛丁」に侵入。同商店街を突き抜けて駐車してあった配送車にぶつかって止まるまでの間に六人をはねました。
パチンコ店マネジャーの男性は、店員が「店の前をトラックが走っている」というので外に出ると、遠くで「ドーン」という音とともにトラックがぶつかって止まり、上半身裸の男が出てこちらを向いていたといいます。パチンコ店のそばでも男性二人がひかれました。
トラックが止まった付近の寿司店の男性も「運転席から火を噴きながら車に突っ込んでいった」と驚きます。
血のあとが残る現場には警察によってロープが張られ、買い物客らが心配そうな表情で行き交っていました。
(細川豊史)