2005年4月2日(土)「しんぶん赤旗」
ブルガリア
今年中に完全撤退へ
世論と野党の公約が影響
【ベルリン=片岡正明】ソフィアからの報道によると、ブルガリア政府は三月三十一日、閣議でイラク駐留のブルガリア部隊を十二月末までに完全撤退することを正式決定し、議会に承認を求めると発表しました。六月に現在の四百六十二人から四百人体制にし、その後徐々に部隊を削減するとしています。
米国の強い反対圧力を押し切ったもの。背景には、世論調査で国民の四人に三人が部隊の撤退を求めていることがあります。
ブルガリア政府は今年初めからイラクからの撤退の意向を表明してきました。しかし、米国の圧力を受け、パシ外相はワシントンを訪問したさい「安定と予測可能な状況が必要であり、すぐに撤退するというわけにはいかない」と撤退時期をあいまいにしていました。駐ブルガリアの米大使は「民主化へ向かうイラクの現状を考慮してほしい」とたびたび撤退に反対してきました。
今回のブルガリアの正式決定には、六月の総選挙を前に世論調査で優勢の野党・社会党が「選挙で勝利すればただちに撤退する」と公約していることが大きな影響を与えています。
オランダ、ウクライナ、ポーランド、イタリアと、相次ぐイラクからの撤退表明は、米政権が呼びかけたイラクに部隊を派遣する「有志連合」の瓦解を示しています。