2005年4月2日(土)「しんぶん赤旗」

主張

社会人スタート

新しく働き始めたみなさんへ


 新しく社会人として働き始めたみなさん。正社員の人も、パートや派遣など非正社員の人も「自分らしく働きたい」「自分の力を社会に役立てたい」などの思いを胸に、第一歩を踏み出されたことでしょう。

泣き寝入りしないで

 働き始めると「こんなの納得できない」ということに、突き当たることがあるかもしれません。

 「遅くまで働かされるのに残業代が出ない」「なかなか休みがとれない」「突然クビだといわれた」…。

 でもあなたには、働く者としての権利があります。泣き寝入りする必要はありません。人間らしく働けるように、労働条件の最低基準を定めた労働基準法をはじめ、働く者の権利を守る法律や仕組みがあります。

 労働時間は一日八時間、週四十時間が原則です。それを超えて働かせる場合、会社は通常の一・二五倍以上の割増賃金(残業代)を支払うことが義務づけられています。深夜十時から早朝五時までの深夜残業は一・五倍以上、休日に働けば一・三五倍以上の割増賃金となります。

 残業代を支払わないのは、犯罪行為です。不払いがあれば時間を記録して、残業代を申請しましょう。

 給料をもらって休める年次有給休暇は、正社員だけでなく、パートや派遣で働いている人も保障されています。週に三十時間以上か五日以上、六カ月間働けば年間十日、勤続一年ごとに増えて最高二十日あります。週三十時間未満でも働く日数に応じて休暇があります。会社は社員に年休を取らせる義務があります。

 「君は気に入らないから」などと、会社側の一方的な言い分で解雇はできません。どう見てもやむをえないという理由がなく、社会常識に反した解雇は無効です。

 短い契約のパートや契約社員の場合でも、繰り返し雇用されている人を、合理的な理由もなく、契約を打ち切り解雇することはできません。

 派遣社員は派遣期間の途中で解約されることがしばしばあります。その場合、残りの期間の賃金を請求できます。短い契約でも、更新して派遣の期間が制限期間(多くの業務が一年か三年)を超えれば、派遣先に直接雇用を求めることができます。

 健康保険や厚生年金に加入していますか。パートや派遣社員も要件を満たせば、社会保険や雇用保険に加入することができます。

 すべての国民に、人間らしく生きる権利、働く権利が憲法で保障されています。労働組合をつくり、加入し、組合として会社と交渉する権利が認められています。

 働く者はバラバラでは弱い立場にありますが、一つの願いのもとに結束すれば大きな力を発揮できます。

 昨年の労組日本プロ野球選手会のストライキは、国民に勇気と感動を与え、プロ野球改革に重要な一石を投じました。

希望もち働ける社会へ

 「こんなことおかしい」と思うことがあれば、労働組合に相談しましょう。職場に組合がない場合でも、全国労働組合総連合(全労連)は全国に組織があり、相談に応じてくれます。会社の枠をこえて入れる組合もあります。みんなで力を合わせれば問題を解決できます。

 「君はクビといわれ、労働組合に相談しすぐ撤回させた」「請負労働者が組合を結成し、時給をアップさせた」「不払いの残業代を支払わせた」。こんな例が相次いでいます。

 たたかってこそ権利が守れます。希望をもって人間らしく働ける社会をめざして、力を合わせましょう。


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