2005年4月1日(金)「しんぶん赤旗」
「君が代」強制
都教委が52人処分
東京都教育委員会は三十一日、卒業式で「君が代」を起立斉唱するよう求めた職務命令に従わなかったことを理由に、都内の公立学校四十校の教員五十二人を処分したと発表しました。うち一人は三十一日付で退職する教員で、四月一日からの嘱託採用を取り消されました。
処分された教員は小学校が三人、中学校一人、高等学校四十四人、障害児学校四人。「君が代」斉唱時の不起立を処分理由にしています。
処分の内容は「複数回以上の職務命令違反」を理由に四人が減給十分の一(六カ月)、減給十分の一(一カ月)が十人、戒告が三十八人。
都教委の処分に対して、教育関係者や都民から「憲法、教育基本法に反し、子どもに特定の価値観を押しつけるものだ」と批判があがっています。
東京都高等学校教職員組合、東京都障害児学校教職員組合、東京都教職員組合は三十一日、抗議声明を発表し、処分の撤回を求めました。
「学校に自由の風を! ネットワーク」の丸浜江里子さんは「都教委のしていることは、子どもから思想信条の自由も奪っています。もっと子どもたちの悩みや苦しみに寄り添う行政をしてほしい」と語りました。