2005年4月1日(金)「しんぶん赤旗」
「日の丸・君が代」強制反対のビラ配り
警察の不当な干渉告発
弁護士が公表
都立高校卒業式での「日の丸・君が代」強制問題で、警察官が卒業式当日に高校の門前に出動し、「日の丸・君が代」強制反対のビラを配る市民に不当に干渉している実態が明らかになりました。警視庁の介入・干渉を監視していた雪竹奈緒弁護士ら弁護士の有志が三十一日、東京都千代田区で会見し、実態を公表しました。
この問題では、都立高校の門前で「日の丸・君が代」強制に反対するビラを配った人が逮捕されるなどの事件が起きています。
会見した雪竹氏らは、「日の丸・君が代」強制に反対する保護者、市民団体などの依頼を受け、都立高校五十四校で卒業式当日、警察官の介入を監視。うち三十七校で警察官が出動していました。
このなかで、十一日に卒業式を行った荒川区内の都立高校では、門前で「日の丸・君が代」強制反対のビラを配布する市民や、介入を監視していた弁護士に対し、警察を名乗る男ら十一人が、取り囲んでビデオ撮影や録音をしたり、「ビラ配りなんかすんなよ」と大声で威かくしたとのことです。
会見では、弁護士と市民が三十一日、荒川警察署に抗議しようとしたところ、面会も構内への立ち入りも拒絶されたことを紹介。「警察の介入は、教育への不当な介入を禁止した教育基本法に反している。さらに、憲法で保障された表現の自由や、国論を二分する問題について情報を受ける権利、知る権利をも侵害するものだ」と、警察の介入や都教育委員会の「日の丸・君が代」強制を批判しました。