2005年4月1日(金)「しんぶん赤旗」
乳幼児医療
助成拡大
全国の制度はいま 厚労省が小池議員に
助かります
通院・就学前まで 5年で11倍に
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子どもの医療費にかかる負担を軽減する乳幼児医療費助成制度について、全国の自治体の実施状況(昨年四月一日現在)を厚生労働省が明らかにしました。日本共産党の小池晃参院議員の求めに応じたものです。小学校就学前までの子どもを助成対象にしている市町村が、通院の場合、五年前と比べて十一倍に増えるなど、住民の運動を背景に制度の内容が拡充してきています。
厚労省の調査によると、助成制度の対象を就学前までとしている市町村は通院が千二百五十、入院が二千五十九自治体ありました。五年前(通院百十三、入院四百六)と比べて、大幅に増えています。小学生以上も助成の対象にしている市町村は、通院が百三十七、入院が百九十六自治体まで広がりました。
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一方で、対象が三歳未満の市町村は通院で八百三十四、入院で百五十自治体でした。また、所得制限のある市町村は九百六(全体の29%)、一回五百円など一定の患者負担を求めている市町村は千三百二十四(同42%)にのぼりました。
都道府県による制度(別表)では、就学前まで対象としているところが通院で八都府県、入院で二十八都府県ありました。
乳幼児の医療費助成制度は、すべての市町村・都道府県が実施しています。しかし、対象年齢や所得制限など、自治体によって内容に格差があります。
日本共産党は四十年近く前から、新日本婦人の会など住民とともに「子どもの医療費を無料に」と運動してきました。国会でも、国が乳幼児医療費を無料にする制度をつくるよう、繰り返し要求しています。
願い広げる励ましに
全国各地で制度の拡充を求めて運動を続けている新日本婦人の会中央本部・牧祐子さん(39)の話
子どもの病気は子育ての大きな不安の一つです。就学前まで助成の対象にしている市町村が増えるとともに、小学生・中学生も対象にするところが広がってきていることは、各地の運動への励ましにもなっています。一方で、国が「三位一体改革」で地方への補助金などを削減するなか、新たに所得制限や患者負担を導入する自治体が出てくるなど、制度が後退している面もあります。子育て中のお母さんの思いなどをぶつけながら、引き続き乳幼児医療費の無料化を求めていきたい。
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乳幼児医療費助成制度 子どもが安心して病院にかかれるように、医療費の患者負担分を都道府県と市町村が助成する制度。子どもの患者負担は、国の健康保険制度では〇―二歳が二割、三歳以上が三割です。
これを自治体が代わりに支払って、保護者の負担を無料にしたり軽減したりします。制度が全国一律ではないため、対象年齢や所得制限など、自治体によって格差があります。