2005年4月1日(金)「しんぶん赤旗」
NHK予算審議
倫理違反の番組改変
吉川参院議員指摘に 会長明言避ける
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NHK予算案を審議する参議院総務委員会が三月三十一日開かれ、日本共産党の吉川春子議員は、NHKの「ETV2001〜問われる戦時性暴力」(二〇〇一年一月三十日放送)への政治介入問題をただしました。
吉川議員が取り上げたのは、BRC(放送と人権に関する委員会)が番組をめぐって「人格権に配慮を欠き放送倫理に違反する」との決定を出していることについて。三年前、出演者の米山リサ・カリフォルニア大学準教授が、NHKが米山さんの発言を断りなしに大幅に削除し趣旨をゆがめたとしてBRCに申し立てたものです。
吉川議員が「放送倫理違反の編集であったことを認めるか」と問うと、橋本元一・NHK会長は「BRCの決定は重く受けとめる」としながらも、「編集権の中で行いたい」と答えました。
これに対して吉川議員は「政治家には事前に説明しても、出演者には説明しなかったということだ」と述べ、「橋本会長の答弁で国民の信頼は得られるのか」と指摘。
また、吉川議員は、「『朝日』の記事はまったくの誤報」とするNHKの内部文書「編集会議メモ」を示しながら、政治家への事前説明をやめるよう求めました。橋本会長は「番組広報という意味で、ねらい等は事前に広報していきたい」と開き直りの答弁に終始しました。