2005年3月30日(水)「しんぶん赤旗」

義務教育費国庫負担法改悪案

参考人“制度堅持を”

小林議員質問


 義務教育への国庫負担金を削減する義務教育費国庫負担法「改正」案について、参院文教科学委員会は二十九日、参考人質疑をおこないました。意見陳述をした参考人や質問にたった議員からは、法案の問題点や矛盾点を指摘する声が相次いで出されました。

 同法案は、小泉内閣が進める「三位一体改革」に関連するもの。教職員の給与・手当を対象に四千二百五十億円削減し、就学援助にたいする国の補助も大幅に削ります。

 中央教育審議会の鳥居泰彦会長は、(1)学力低下(2)教育予算の貧困(3)教育施設の老朽化(4)教員の世代人口の格差―など多くの問題があるなか、「三位一体改革」の論議は、「こうした視点でなく財政の議論だけおこなっている」と批判。

 全国退職教職員生きがい支援協会の渡久山長輝理事長は、「義務教育は憲法に保障された国の責務である」として国庫負担金堅持を主張しました。

 岡山県の石井正弘知事は、全国知事会を含めた地方六団体が、昨年八月に「国庫負担金等に関する改革案」を発表したとして、国庫負担を財源移譲した方が「教育水準が向上し、いい意味での競争となる」と法案賛成の立場を表明。

 日本共産党の小林みえこ議員は、地方六団体の「改革案」では、「十三人の知事が国庫負担制度廃止、一般財源化反対の趣旨で意見を付記した」と、知事の間でも多くの意見があると指摘、民主党の那谷屋正義議員は、都道府県を構成する「市町村の七割が国庫負担堅持を求めている」と矛盾点をあげました。

 参院文教科学委員会は、二十九、三十一両日の質疑を経て、三十一日に同法案を採決する予定です。


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