2005年3月30日(水)「しんぶん赤旗」
改憲論点 意図的に集約
衆院憲法調査会 最終報告案を提示
衆院憲法調査会の幹事懇談会が二十九日開かれ、五年間の調査をまとめた最終報告書の「素案」が提示されました。「素案」は引き続き協議することになりました。
「報告書素案について」と題する文書では、「委員の意見を論点ごとに類型化」して示し、「二〇人程度の委員が積極・消極の意思表明を付した発言」で「概(おおむ)ねダブルスコアの開きがある場合に大小関係をつける」としています。
憲法九条については、「自衛権・自衛隊の憲法上の明確化」など、改憲の論点を意図的にとりあげるものとなっています。また、民主、公明に配慮して、「自衛権の行使・自衛隊についての法的統制のための規定を置く」「いわゆる加憲」など、決して多くない意見についても細かくひろっています。
日本共産党の山口富男議員は、(1)素案は論点のとりあげ方が与党などの改憲論議にそった意図的なもので、改憲に向けた論点整理となっていること、(2)意見の大小関係を示すとして恣意(しい)的な類型化となっていること、(3)国民投票法、憲法問題を扱う国会の常設機関化の問題を「今後の憲法論議」としてもりこみ、改憲作業の道筋をつけようとしていることなどを指摘。「調査の経過と結果を記載するとした憲法調査会規程をも逸脱するもので認められない」と批判しました。