2005年3月29日(火)「しんぶん赤旗」
米軍遊休施設 返還を
政府に関係知事会が要求
町村信孝外相と大野功統防衛庁長官は二十八日、外務省で、米軍基地を抱える十四都道県の知事でつくる全国渉外知事会(会長・松沢成文神奈川県知事)と、在日米軍再編問題をめぐり意見交換しました。同知事会と政府の公式協議は初めて。
知事側は、在日米軍再編による新たな基地負担に反対し、遊休化した米軍基地の返還を要求。大野長官は「(遊休化した基地を)総ざらいする必要がある」と述べ、米国との協議で取り上げる考えを示しました。
また大野長官は協議にあたって、米軍基地の共同使用や施設管理権の自衛隊への移管を重視すると強調しました。
意見交換の中で松沢知事は、在日米軍再編で検討されている米陸軍第一軍団司令部(米ワシントン州)のキャンプ座間(神奈川県)への移転や米海軍横須賀基地(同)への原子力空母配備に反対を強く表明。
沖縄県の稲嶺恵一知事は四月二日にイラクから帰還予定の米海兵隊部隊について「沖縄以外の場所に戻してほしい」と求めました。
米海兵隊岩国基地を抱える山口県の二井関成知事は「これ以上の(基地の)機能強化と(神奈川県・厚木基地からの)NLP(夜間離着陸訓練)受け入れは認められない」と述べた上で、協議には応じていく考えを示しました。
町村外相は、日米協議で「まだ具体案の議論には入っていない」などと、具体的な再編案については改めて知事会と協議する考えを示しました。