2005年3月29日(火)「しんぶん赤旗」

住友金属に賠償命令

女性理由に昇格・賃金差別あった

大阪地裁


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勝利後、笑顔で報告会をした原告と支援者ら=28日、大阪市

 住友金属工業(下妻博社長)大阪本社で働く女性労働者四人が、女性であることを理由にして昇格・賃金に差別があったと訴えている裁判の判決が二十八日、大阪地裁でありました。原告の主張をほぼ認め、男性社員との差額賃金と慰謝料あわせて一人当たり千八百万円から千百万円、計約六千三百万円を支払うよう同社に命じました。

 会社側が「男女コースが別だから違法ではない」と争った裁判では過去最高金額となります。

 訴えていたのは、北川清子さん(65)=一九九九年定年=、井上千香子さん(54)、笠岡由美子さん(50)、黒瀬香さん(48)の四人。

 ポイントになったのは、従業員に知らされていない「ヤミ人事制度」の存在を認めるかどうかでした。原告は、住金には従業員を(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)の五段階に分類する人事制度があり、女性はすべて最低評価の(ホ)にされていたと主張していました。

 判決は、「ヤミ人事制度」について「同等の能力を有する高卒事務職であっても、男女間で能力評価において差別的取り扱いをし…それに基づき、昇給・昇進等の運用をしていた」として、「被告会社は、性別のみによる不合理な差別的取り扱い」をしたと認定しました。

 同社は、結婚・出産をした女性社員に対し、退職して子育てをしないのは「犬畜生にも劣る」などと長年、前時代的な退職強要を続けてきました。

 北川さんは「先人たちのたたかいの後に私たちがあり、私たちは次世代の女性に遺産を残すことができたと思う」と語りました。


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