2005年3月28日(月)「しんぶん赤旗」
憲法9条は仏教の教え
東京・台東区 寺に横断幕掲げる
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「憲法九条を世界に輝かせよう」――。こんな横断幕が東京・台東区内のお寺に掲げられ、訪れる参拝者や檀家(だんか)からも注目を集めています。
このお寺は台東区谷中にある真宗大谷派の宗善寺(そうぜんじ)。門をくぐった建物二階に掲げられた横断幕は横五メートル、縦八十センチほどの大きさで「すべての戦争犠牲者の魂の奥底からの願いに応えて 憲法九条を世界に輝かせよう」と記されています。
「こういうものは今風でないかもしれませんが、逆に目立つかなと思ったんです」と住職の山名広隆さん(58)。
空襲60年の日に
横断幕を掲げたのは東京大空襲から六十年にあたる三月十日。「偶然なんですよ。でも、9・11テロ以降、戦争への傾きが強くなっていると感じましてね。何かできることを、と考えたんです」
檀家からは「お寺もこういうことをやるんですね」と驚きの声や「本当にそうです。戦争じゃなく、平和こそ大事です」との声が寄せられているといいます。
山名さんが宗善寺の住職になったのは一九七二年。大勢の戦争犠牲者の法事にかかわってきました。「寺の過去帳をみると、戦争で一家全滅した家もあります。真宗大谷派は戦前、戦争に加担してきました。その歴史を再びくり返してはいけないんです」
説法でも憲法九条について触れることもあります。「人類の悲願 平和憲法の精神を世界に広めよう」との説話もパソコンで作成し、檀家に配っています。
戦争は「無用」だ
「地獄、餓鬼、畜生があっては仏とならない。これは仏教の本願である第一願の教えですが、仏教と戦争というのは相いれないものです。浄土教には『兵戈(ひょうが)無用』という教えもあります。浄土には兵隊と武器はありません、無用なものという教えですが、それは現世でも同じでしょう」
憲法九条は仏教の教えにもつながるという山名住職。しかしこう続けました。
「仏教者であろうが、仏教の教えでなかろうが、憲法を守るために今、立ち上がることこそが大事なのではないでしょうか」
「九条守れ 私の行動」手記を募集します
改憲の動きが強まるなかで、「憲法九条を守りぬきたい」という思いや行動が大きく広がってきています。
みなさんはどのように考えて行動しているでしょうか。
個人やグループの「草の根行動」を紙面で交流したいと考えています。
次のような要領で読者の手記「九条守れ 私の行動」を募集します。ふるってご応募ください。
応募要領=長さは六百字程度。関連する写真もあればお送りください。住所、氏名、年齢、職業、電話番号(あればファクス番号)を明記。応募原稿や資料、写真は返却しませんので、必要な場合はコピーを取っておいてください。
掲載分には、図書券をお贈りします。
あて先=〒151―8675、しんぶん赤旗・社会部「憲法九条守れの手記」募集係(私書箱のため郵便番号だけで可)。