2005年3月26日(土)「しんぶん赤旗」
「売春村」の女性半減
防止法 半年の韓国
夢と希望持ち学生に
韓国女性省は二十三日、売買春根絶をめざして昨年九月に「性売買防止法」が制定されてから半年で、各地の「売春村」と呼ばれる場所の女性が約半数にまで減ったと発表しました。女性省は、元「売春婦」の支援にも力を入れ、大学進学者を出すといった成果を上げています。
性売買防止法は、売買春とあっせん行為の処罰、売春をやめたい女性の保護などが目的です。売買春をした場合には一年以下の懲役または三百万ウォン(約三十万円)の罰金。当事者よりも売春をあっせん、強要する行為への厳罰が特徴で、それまでの「淪落(りんらく)行為防止法」を大幅に強化し、「五年以下の懲役または千五百万ウォン(約百五十万円)以下の罰金」を「十年以下の懲役または一億ウォン(約一千万円)以下の罰金」としました。
女性省によると、「売春村」の業者と女性の数はそれぞれ36・2%、50・9%減少。同省は「性売買が違法だと認識されるようになり、性売買での女性の人権じゅうりんの事実が広く知られるようになったため、性産業の規模も減ったと考えられる」とみています。
韓国政府は、売春業をやめる女性の支援予算として、昨年は六十九億ウォン(約六億九千万円)を支出、今年は二百二十一億ウォン(約二十二億円)を予定しています。保護施設の運営、現地相談、職業訓練、生活支援などに充てられます。
昨年、女性省などに寄せられた相談は五千二件。最も多いのが「売春をやめたい」というもので、その次が借金。さらに業者や買春男性による暴力、監禁など深刻な人権じゅうりんの相談が急増しているといいます。
一方、売春をやめた女性に対する支援はまだ成果が少ないものの、女性省の支援で今年、二十五人が大学に進学しました。父親が病気で働けず借金がかさんで売春業者の手に落ちた二十五歳の女性は、短期大学に合格した喜びを手記に記しています。
「もう私は借金のせいで体を売る性売買の被害者ではありません。夢もあるし希望もある、やってみたいことも本当にたくさんある普通の社会福祉学科の学生です」
(面川誠)