2005年3月24日(木)「しんぶん赤旗」
牛肉偽装 フジチク元社長認める
名古屋地裁初公判 不正利得10億円に
国のBSE(牛海綿状脳症)対策の国産牛肉買い上げ事業を悪用した補助金不正受給事件で、補助金適正化法違反の罪に問われた食肉大手「フジチク」元社長藤村芳治被告(62)ら六人の初公判が二十三日、名古屋地裁(柴田秀樹裁判長)で開かれ、六人とも起訴事実をほぼ認めました。検察側は冒頭陳述で不正利得が約十億一千三百万円に上ったことを明らかにしました。
起訴状などによると、藤村被告ら四人はBSE対策の保管事業の補助金を不正に受給しようと計画。二○○一年十月と十一月、藤村被告が役員を務めていた全国同和食肉事業協同組合連合会などを通じ、農畜産業振興事業団(現農畜産振興事業機構)に対し、事業対象外の輸入牛肉や架空申請分を少なくとも約四百六十トン含む牛肉買い取りを申請。補助金計約十一億一千五百万円を不正に受け取りました。
また、藤村被告ら六人は○二年六月と十二月、同対策の処分事業でも、補助金計約九億円を不正受給しました。
同事件は、BSE対策を悪用した牛肉偽装事件としては、食肉大手ハンナングループの事件を上回り最大の偽装量です。