2005年3月22日(火)「しんぶん赤旗」
大銀行は“公的資金漬け”
「郵政民営化」意見広告
身のほど知らずと批判
大門議員
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大手銀行は“公的資金漬け”になっています。日本共産党の大門実紀史議員が、十八日の参院財政金融委員会で明らかにしました。
大門氏が示した「主要行の自己資本の内訳試算」(グラフ)は、全国銀行協会の「全国銀行財務諸表分析」と預金保険機構の「資本増強実績」などから作成したもの。
二〇〇四年九月期に自己資本に占める公的資本の比率は約五割。しかも残る民間資本のうち問題になってきた繰延税金資産が五・二兆円(33・8%)を占め、純粋な自己資本は差し引き二・六兆円(16・8%)しかないことを指摘。金融庁は大筋認めました。
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大門議員は、こうした公的資金漬けの全銀協が二月末の全国紙に出した、「郵政民営化にあたり、私たちは『公正な競争』が行われることを望みます」と題する意見広告の中身について質問しました。
広告では、郵政事業は、「官業ゆえの特典は、見えない国民負担に支えられている」とか、「何か経営上の問題が起きても政府が必ず救済してくれる」、また「万一、経営困難な状況に直面した場合、…莫大(ばくだい)な国民負担が生じる可能性があります」などとしています。
これは公的資金漬けになっている大銀行のことを棚上げにするものです。大門氏は、担当相として「身のほどをわきまえるべきだというべきだ」と問いただしました。
これに対し伊藤達也金融担当相は、「協会で議論し出されたもの。行政としてコメントは差し控える」というにとどまりました。