2005年3月19日(土)「しんぶん赤旗」
米に忠誠 イラク派兵に固執
「有志連合」37から18へ
孤立する小泉政権
“さっさと撤退を”
「(イラクの自衛隊は)さっさと撤退すべきだ。次々と撤退する国が増えていく時、なぜ日本だけが最後まで(米国に)操を立てていなければならないのかということになる。だれもがそう思っているのではないか」。政府高官は明言します。
イラク戦争開戦から二年。戦争を無条件で支持し、自衛隊派兵に固執し続ける小泉・自公政権の立場は、ますます世界から孤立し、政府高官の目から見ても根拠のないものになっています。
米軍によるイラク占領の破たんで、軍隊を派兵して占領を支えてきた「有志連合」からの離脱の動きは止まりません。今月も、ウクライナが撤兵を開始し、ブルガリアは年内完全撤兵を発表。イタリアも首相が段階的撤兵を表明しています。
「有志連合」国は当初から三十七カ国と、世界の少数派でした。いま派兵に固執している国は十八カ国にまで減っています。
小泉政権は、「人道支援」を口実に、イラクへの自衛隊派兵の継続にあくまで固執しています。しかし、「人道復興支援」の最大の柱だった自衛隊の給水活動は、ODA(政府開発援助)による浄水装置の供与で必要がなくなり、現在は実施していません。
米国のイラク占領を支援するという“忠義立て”だけが、派兵に固執する理由であることが明りょうになっています。
“予想は外れる”
小泉政権のイラク戦争支持の「大義」も完全に失われました。
今年一月二十七日の衆院予算委員会。
「私も、あのころはいずれ(イラクで大量破壊兵器は)見つかるんじゃないかと思っていた。しかし、結果的にはないと。思いと予想と見込みは、外れる場合がある」
小泉純一郎首相の答弁に、委員会室は騒然となりました。
首相は開戦当時、イラクが「大量破壊兵器を保有」(メールマガジン)していると断言し、それを最大の口実に戦争を支持していたからです。
しかし昨年秋、イラクは大量破壊兵器も、開発計画も持っていなかったことが確定。米国の主張をうのみにした戦争支持の口実はまったくの虚偽だったことが明らかになりました。
首相はウソをついて、膨大な無辜(むこ)のイラク市民の命を奪った侵略戦争を支持したことになります。ところが、首相は「見込みは外れる場合がある」などと、平然と答弁したのです。
昨年十一月、首相は、数千人と言われるファルージャでの米軍による住民虐殺も「成功させないといけない」と公言。世界でも異常な米国追従の姿を際立たせています。
(榎本好孝)