2005年3月17日(木)「しんぶん赤旗」

最高益でも賃上げなし

トヨタなど大手、春闘回答


 自動車や電機、鉄鋼、造船重機など製造業大手各社が十六日、金属労協(IMF―JC)加盟の労働組合に〇五春闘の回答をいっせいに出しました。

 上場企業合計の経常利益が二年連続して過去最高を更新する見込みのなかでの春闘。JCのホワイトボードに書き込まれるのは「賃金体系維持」の文字の列。大企業労組が、大もうけのなかでもベースアップ(賃金のかさ上げ)を要求しない異常な結果です。

 一兆円をこえる純利益が昨年に続き確実なトヨタのトヨタ労組が賃上げ要求を放棄したのを典型に、自動車総連では、メーカー十一社のうち日産とヤマハ発動機が「賃金改訂原資の確保」という名目で賃上げ要求をしているだけです。

 デジタル家電など「業績好調」の電機産業労働者でつくる電機連合は、十七の主要組合すべてが賃上げ要求見送りです。

 一方、賃上げ要求見送りと引き換えに、「過去最高額」をめざすと各労組が組合員向けに宣伝してきた一時金では、満額か、満額近い回答が相次ぎました。“いくら業績が良くなっても賃上げはしない”と労働者の要求に挑戦する日本経団連の主張通りの結果です。

 愛知県豊田市内のトヨタの社宅では、「夫はこれだけ働いているんだから、一時金の満額回答は当たり前です。どうして組合は賃上げを求めないの」「一時金は最高額というけれど、業績が悪くなればすぐに下がる」と労働者の妻が話します。

 労働者同士を競わせる成果主義賃金や、税金・社会保険料の負担増で実質的な収入減にさらされている労働者と家族の間では「わずかばかりの一時金の増額でお茶を濁すなんてとんでもない」との声が広がっています。


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