2005年3月16日(水)「しんぶん赤旗」
安倍氏への事前説明容認
政治介入でNHK会長
塩川議員 「信頼回復できない」
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衆院総務委員会は十五日、NHKの二〇〇五年度予算案・事業計画の集中審議を行いました。日本共産党の塩川鉄也議員は、午前、午後の審議を通して、NHK番組への政治介入問題を質問。初めて国会の答弁に立った橋本元一NHK会長は、自民党・安倍晋三議員らへの番組事前説明を容認する姿勢を示しました。
塩川議員は、放送番組が「何人からも干渉され、又は規律されることがない」と放送法が定めていることを指摘。この基本が問われたのが二〇〇一年一月三十日に放送された「問われる戦時性暴力」での安倍氏への事前説明問題だとし、NHKの姿勢をただしました。放送前日の一月二十九日、当時の松尾武放送総局長と野島直樹総合企画室担当局長(現理事)が安倍氏と面会したこと、その後NHKで行われた試写に野島氏が出席したことを確認。「国会担当局長が試写に同席することがあるのか」との問いに、野島理事は「たびたびあることではない」と異例であることを認めました。また、長井暁チーフプロデューサーが「野島氏がリードして番組を改変した」と証言していることについては、「感想を言っただけ」と述べるにとどまりました。
塩川議員は、そうした政治家への説明を「通常の業務の範囲内」としていることを追及。橋本会長は「おうかがいを立てる説明はしてはならない」としながら、今回は「一般の説明だ」と事前説明を容認しました。
さらに放送後にも特定議員に説明を繰り返していることを指摘。「やってはならない政治家への説明をしていることを認めない、これでは視聴者は納得しないし、信頼を回復することはできない」と強調しました。
自民・民主は
番組内容への政治介入問題で、自民党は明白な介入の事実を否定する立場から質問。民主党は、「受信料制度は国家権力から介入されないためにあるのに、NHKが政治家にすりよるのは問題だ」(大出彰議員)としました。