2005年3月15日(火)「しんぶん赤旗」
九条科学者の会発足
“平和と自由の精神貫く”
「『九条の会』アピールを広げる科学者・研究者の会」(九条科学者の会)が十三日発足しました。伏見康治元日本学術会議会長ら二十人が発起人。同日東京・日本大学歯学部で開かれた発足記念の集いには、伏見氏のほか発起人の本間慎フェリス女学院大学学長、暉峻淑子埼玉大学名誉教授らが出席。全国から、科学者・研究者百十人がかけつけました。
ことし96歳 伏見氏よびかけ
集いでは、今年九十六歳になると自己紹介した伏見氏が、平和的復興への貢献を誓い、憲法の思想・良心の自由、学問・言論の自由の確保をうたった「日本学術会議の発足にあたって科学者としての決意表明」(一九四九年一月二十二日)を紹介し、「この精神を貫きたい」と発言。「日本の明治以降の歴史の中でこれだけ戦争をしなかったというのはなかったこと。日本の国民として非常に貴重な体験で、それを脅かすようなことに対しては皆さんと一緒に抵抗していかなくては」と、かみ締めるように語りました。
暉峻氏は「学生時代、自分の人生哲学や価値観と自分の研究領域、それと憲法が一致しているというのはなんてすばらしいことだと感じた。ところがそれがだんだん今、危なくなっている」とし、囲碁に例えて「毎日一個でも石を置こう」と決意表明。「九条の会」呼びかけ人の奥平康弘氏が「いま日本国憲法について何が論ぜらるべきか」と題して記念講演をしました。
会場からは、「理性と良心の声が待たれている」「命を大切にする九条の意味を伝えていきたい」など、研究者や学内で九条の会をつくった学生・院生などから発言が相次ぎました。
同会は、これまでに約二百人が呼びかけ人になっています。今後、昨年六月に発表された「九条の会」アピールへの賛同をインターネットを中心に一万人をめざして集めます。また、それぞれの活動場所で九条の会に取り組むことを呼びかけました。