2005年3月12日(土)「しんぶん赤旗」
郵政民営化
公社「ジリ貧」根拠ない
参院予算委 吉川議員が指摘
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民営化会社より郵政公社のままの方が利益が確実に上がる―。日本共産党の吉川春子議員は十一日の参院予算委員会で、政府が郵政民営化の根拠に掲げる「郵政公社のままだとジリ貧になる」論が、政府自身の試算でも説明がつかない問題を指摘しました。
吉川氏が示したのは、現行のまま郵政公社が続いた場合の利益と国への納付金の額。内閣府の郵政民営化準備室の「骨格経営試算」をもとにしたもので二〇一六年度の利益は七千二十八億円にのぼります。
この額は民営化会社が達成可能と見込まれている利益七千億円(新規業務の目標を五割まで達成)と同程度の額。郵政公社のままなら、民間では負担しなければならない預金保険料などのコストがかからないためです。
一方、郵政公社が国に納める国庫納付金の試算額は、二〇一六年度に三千五百十四億円。竹中平蔵郵政民営化担当相は、民営化会社の納税額は、新規業務が五割達成の場合、二千九百億円にとどまると答弁しました。
政府の試算から、郵政公社の方が民営化会社を上回る利益と国庫納付金を納めることが明らかになりました。
吉川氏は「これでどうして民営化する必要があるかまったく説明がつかない」とのべ、郵政民営化の撤回を求めました。