2005年3月11日(金)「しんぶん赤旗」
10万の命に誓う
東京大空襲60年集会
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約十万人が犠牲となった東京大空襲から六十年を迎えた十日、犠牲者を追悼する集会が台東区の隅田公園内にある犠牲者追悼碑前で開かれました。約百人の参列者は追悼碑の前に菊の花を献花。じっと目を閉じ、両手を合わせて黙とうしました。東京大空襲犠牲者追悼・記念資料展実行委員会が主催したものです。追悼碑は、大空襲の炎で数千人が亡くなった言問橋(ことといばし)のたもとにあります。いまは多くの車が行き来します。
中川文子実行委員長は「犠牲者の礎があるからこそ今日の平和が守られている。遺志を継いで世の中から戦争をなくしたい」とあいさつしました。
台東区の吉住弘区長が初めて参加し、「若い人たちに戦争の悲惨さを伝えていかなければいけない」とのべました。
日本共産党の小池晃参院議員は、憲法九条を変えて、日本を戦争ができる国にしようとする動きがあると指摘。「そういう時だからこそ、二度と悲劇を繰り返さないことを犠牲者のみなさんに誓う。戦争をしない国であり続けるために力をつくしたい」と訴えました。
被災した吉田富美子さん(75)は「同級生の多くは亡くなった。この日を忘れない」と語りました。
「小二のときの記憶をたどって体験記を書き始めた」と話す六十八歳の女性=さいたま市=。つらすぎて、ずっと書けずにきました。「火のなかを逃げ回ってよく助かったと思う。体験を書き残すことが死んだ人に対しての行いでもあります」