児童扶養手当法反対討論
2005年3月9日 山口富男
日本共産党を代表して、「児童扶養手当法による児童扶養手当の額等の改定の特例に関する法律案」について、反対の討論行います。
本法案は、本年4月以降、児童扶養手当など10の諸手当について、これまで特例措置で「かさあげ」されてきた1・7%分について、今後は、この「かさあげ」が解消されるまでは、物価が上がっても手当の増額はしない、物価が下がれば減額するというものです。
児童扶養手当とは、児童の健やかな成長のために、母子家庭の生活の安定と自立の促進に資するものです。今日、母子家庭の平均所得は、諸手当を含めて212万円と、一般家庭の4割以下です。就業でも不安定雇用が拡大しています。しかも、収入に占める児童扶養手当など社会保障給付費の割合は、02年度の13.2%から、03年度には11.4%へ低下しています。
こうした現状から見て、「生活の安定と自立」にふさわしい額を確保することこそ、この分野で求められる課題です。
ところが、この間、児童扶養手当は18歳未満までの支給から、支給後5年間で半減する支給削減が行われ、母子家庭の「命の綱」は弱められてきました。支給制限や不十分な手当額の現状を改め、支援の充実を図るべきです。
まして、目的も生活実態も違う、障害者や原爆被爆者にかかわる各種手当を連動させ、減額することは、社会的弱者に対する極めて機械的で、思いやりのない対応であるといわなければなりません。
以上の諸点を指摘し、反対討論といたします。