2005年3月9日(水)「しんぶん赤旗」

“裏金幹部”を表彰!?

懲戒処分者も対象に 内規こっそり改定

北海道警


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変更前

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変更後

「退職日以前1年以内に懲戒処分を受けたことがない職員」の文言が消えた表彰規程

 一連の裏金問題で大量の処分者を出した北海道警が、昨年十二月末の処分直後に、懲戒処分を受けた職員も退職時に表彰対象となるよう内規を変えていたことがわかりました。懲戒処分された九十八人は全員が幹部。“幹部救済のねらいがはっきりしている”という内部告発が日本共産党にもよせられており、党道議団は九日の道議会で追及します。

 問題の内規は「北海道警察表彰等取扱規程の運用について」。このうち、退職する警察官の表彰に関する項目が昨年十二月二十八日に「改定」され、一月一日から施行されました。

 以前の表彰対象は「勤務成績が優秀で、表彰の種類に応じた功労があり、かつ、退職日以前一年以内に懲戒処分を受けたことがない職員」とされていました。

 ところが、「改定」された内規では「かつ、退職日以前――」以降を削除しました。この結果、退職前一年の間に懲戒処分を受けていた職員も表彰対象になります。

 裏金問題をめぐって道警は昨年十二月十七日、約三千人を処分しました。地方公務員法などの法律にもとづく戒告以上の懲戒処分を受けたのは九十八人で、方面本部長、署長、課長などいずれも幹部職員。このうち十八人が今年度中に定年退職を迎える予定で、「改定」内規の適用を受けることになります。

 「改定」理由について道警側は、「今回の処分を受けての改定ではない」「仮に処分を受けたとしても、これまでの実績を評価して判断するのが自然だ」などとコメントしています。党道議団の調査では、警察庁や警視庁の表彰規程は変わっておらず、“お手盛り表彰ではないか”との批判の声が上がっています。

 裏金問題を追及している市川守弘弁護士は、「道警の姑息(こそく)さにあきれる。大量の処分者を出した道警は、外に向かっては頭を下げたかのようにみせてはいるが、本心は“裏金をつくって何が悪い”“処分されても悪いことじゃない”と開き直っていることを示している。改めて警察の異常な体質が問われる」と話しています。


「議会で追及して」

警察内部から告発文

 日本共産党に寄せられた内部告発文書から紹介します。

 昨年十二月、道警で裏金問題にかかわったとして、所属長級の警察官など百人を減給、戒告等の懲戒処分にしましたが、この懲戒処分の効力に疑問の声があがっています。

 それというのもこれまで、一般警察職員が懲戒処分を受けると、処分から一年間は昇任試験の受験資格なし、昇給停止、勤勉手当の減額、あげくの果てには、人事異動対象となり、異動されるのが通例です。

 …今回の(表彰規程)一部改正では「退職日以前一年以内に懲戒処分を受けたことがない」という文章を削除したようです…われわれ警察官は、春の定期異動に強い関心を持っています。

 その関心というのは、懲戒処分を受けた者が警視正に昇任し、また退職時に一階級昇任し、退職時優良警察職員表彰を受け、そして特別昇給しての退職かどうか。さらに懲戒処分を受けた現職の所属長級の幹部が、本部長になったり部長職に昇格するのか…。

 今後の議会において、道警の上層部の追及を徹底していただき、末端職員に鬱積(うっせき)している上層部への不信感を払拭(ふっしょく)し、真に道民のための警察として働ける、生きがいのある職場作りにご協力をお願い申し上げます。


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