2005年3月9日(水)「しんぶん赤旗」
中国全人代
台湾問題で新法提出
平和解決優先、独立は阻止
【北京=小寺松雄】「台湾独立」を阻止することを定める「反国家分裂法案」が八日、中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)に提案され、審議が始まりました。全人代の全体会議で、王兆国全人代常務副委員長が法案内容を説明しました。大会最終日の十四日に採決される予定です。
王氏は「大陸と台湾は一つの中国に属する」と改めて表明したうえで、台湾当局が憲法や法律などさまざまな形で「独立」をはかろうとしていると指摘。「国家分裂の動きを許さず、祖国の平和統一を促進し、国家主権、領土、民族の根本利益を守るため、中国憲法にのっとってこの法案を制定する」と提起しました。
具体的には、法案は(1)「一つの中国」原則堅持と平和統一(2)三通(中台間の直接の通航、通商、通信)など経済交流の推進(3)対等な立場での協議や交渉を通じた敵対状態の終結―をうたい、「平和路線」による解決を最優先するとしています。
王氏は「平和的統一が台湾海峡両岸の同胞の根本利益にかなう」と強調、その後の台湾は「一国二制度」の原則が適用されると説明しました。さらに「平和的統一の望みが少しでもあるなら、われわれはその努力を絶対に放棄しない」と強調、同時に「われわれは武力行使の放棄を認めたことはない」とものべました。
そのうえで王氏は、「平和的統一の努力がまったく効果がなくなったというもとで、やむをえない最後の選択だ」として「非平和的な方式やその他の措置を行使する必要がある」と説明。さらに、「台湾独立勢力の国家分裂の事実があり、または分裂に至る大事件が起こり、平和的統一の条件が完全になくなったというもとでは、非平和的方式や必要な措置をとる」となっているとのべました。法案はこの場合の決定を、国務院(政府)と中央軍事委員会に与えています。
同時に王氏は、法案はその場合でも「中国は台湾住民と台湾に住む外国人の生命、財産、安全、その他の正当な権益を最大限守る」となっていると説明しました。