2005年3月9日(水)「しんぶん赤旗」
私大高学費
「負担の限界超えてる」
小林議員質問 文科相、財務相も認める
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日本共産党の小林みえこ議員は八日の参院予算委員会で、私立大学の高学費の実態について「負担の限界を超えている」と告発し、政府による私学への一般補助充実を求めました。
私立大学の初年度納付金は、一九八五年度で九十一万三千円だったのが、二〇〇四年度には百三十万二千円に達しています(昼間部平均)。
小林氏は、子ども二人が私立大学に通った場合、勤労者平均年収に占める学費・下宿代の割合が83・1%に達していることを紹介。「この負担がいかに重いか。家計は成り立たない」とただしました。
中山成彬文部科学相は「私の妹の息子も私大に入ったが、母親は『ふうふう』いっているのが実情だ」と答弁。谷垣禎一財務相も「保護者は、相当仕送りをしないと、とてもやっていけないことは間違いない」と、苦しい実態を認めました。
小林氏は、私立大学への一般補助が減額されるなかで、私立大学の学費が上がっていることをパネル(グラフ)で示し、私学への一般補助の充実を要求しました。
日本は、国際人権規約のうち、高等教育について「無償教育の漸進的な導入」を掲げた条項を留保しており、国連は、その「撤回の検討」を勧告しています。
小林氏が、留保の撤回に向けた検討を求めたのに対し、町村信孝外相は「今後、検討していく」と答弁。一方、細田博之官房長官は、現時点での撤回について「考えていない」とのべました。
私立大学への一般補助
私立大学への助成の一つで、このほか特別補助があります。一般補助は、教職員の人件費や基盤的研究経費への補助で、教職員数や学生数により算出し配分します。特別補助は、特色ある教育研究活動や特定のプロジェクトに対し、補助するものです。