2005年3月8日(火)「しんぶん赤旗」

伊左派政党が撤兵要求

米軍の記者銃撃 国葬に多数参列


 イラクで武装勢力に拉致されたイタリア人記者が解放後、米軍に銃撃された事件で死亡した情報機関員ニコラ・カリパリさんの国葬が七日、ローマ市内のサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会で行われました。

 葬儀にはチャンピ大統領、ベルルスコーニ首相らが参列。教会の周囲には多数の市民が集まり、カリパリ氏の死を悼みました。

 国葬まで遺体が安置されていた同市のビットリオ・エマヌエレ二世記念堂には一万人以上の人々が弔問に訪れました。

 ローマ発のロイター電は六日、「イタリア国民の怒りと悲しみがブッシュ米政権と、同政権が進める対テロ戦争の熱烈な支持者であるベルルスコーニ首相に圧力を加えている」と伝えました。地元メディアは、「(米軍機によるロープウエーのケーブル切断で二十人が死亡した)チェルミスの悲劇が再来」と衝撃的に報道(レプブリカ紙五日付)。左派政党はイラク撤兵を求める声を強めています。

 共産主義再建党のベルティノッティ書記長は「イタリアはアメリカの奴隷ではない」「撤退こそが国民の健全さを示す行為だ」と述べ、イラクに派兵しているイタリア軍兵士約三千人の完全撤退を求めました。

 左派連合「オリーブの木」に加わる共産主義者党のディリベルト党首は、「今こそ、中道左派全体がイラクからの撤退を要求しなければならない」と訴え。緑の党のスカニオ党首も「汚れたイラク戦争からイタリア軍を直ちに撤退させなければならない」と強調しました。

 イタリアでは二月四日にマニフェスト紙のジュリアナ・ズグレナさんがイラク武装勢力に拉致されたことで撤兵を求める声が高まり、同月十九日には五十万人がローマ市内をデモ行進しました。今回の米軍の暴挙で撤兵要求がさらに強まっています。


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