2005年3月7日(月)「しんぶん赤旗」
“米軍の標的だった?”
負傷の伊記者が銃撃批判
【ベネチア=浅田信幸】イラク武装勢力による拉致から一カ月ぶりに解放されながら米軍の銃撃を受け、負傷して帰国したイタリアの女性記者ジュリアナ・ズグレナさん(57)は六日、米軍が意図的にズグレナさんを殺害しようとした可能性に言及しました。
ズグレナさんはスカイ・イタリア・テレビに対し、「交渉で人質が解放されるのを米軍は望んでいない。私が彼らの標的だったことを否定すべき理由はない」と語りました。
夫のスコラリさんも、ズグレナさんが米軍の総攻撃を受けたファルージャからの避難民についてのルポを準備中だったと指摘。「米軍は彼女が生きて脱出することを望まなかった」とし、意図的な銃撃だったと非難しました。
ズグレナさんは五日、ローマの軍病院で伊調査官の事情聴取に応じ、銃撃当時に「車は通常の速度で走っており、誤解を生む可能性はなかった」と言明。
高速で接近したため自爆テロと間違えたとの米軍側の説明に反論しました。
米国のイラク侵略を支持して今も三千人を派兵するイタリア。今回の事件を契機にイラク撤兵要求が改めて高まりつつあります。