2005年3月6日(日)「しんぶん赤旗」
東京大空襲60年 今できること
語り継ぎ、未来変える
空襲体験者から孫世代まで520人
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「東京大空襲六十周年のつどい いま語り継ぐこと」が五日、東京・江東区の江東区総合区民センター公会堂で開かれました。一九四五年三月十日の東京大空襲から六十年を前に、空襲体験者から孫の世代まで約五百二十人が集まり、戦争の悲惨さを伝え、学びあいました。同実行委員会と開館三周年を迎えた東京大空襲・戦災資料センターが主催。
「ガラスのうさぎ」の著者で知られる作家の高木敏子さんは自身の体験をもとに「戦災孤児に手が差し伸べられなかったのはみんなが苦しかったから」とのべ、「戦争を起こさない心、起こさせない心を世界中の人に広めていこう」と呼びかけました。病気を押して参加したという高木さんは、会場の中高生に訴えました。「選挙権を得たとき、戦争をしようとする政治家に一票も投じないでほしい」
東京大空襲の調査をおこなってきた作家で同センター館長の早乙女勝元さんは「人間の体験は六十年単位で『歴史』に移行する」と指摘。「戦争は忘れるからやってくるのです。知っているなら伝えよう、知らないのなら学ぼう」と参加者に呼びかけました。
センターには、これまでに二万六千人が来館しています。センターを訪れた小学生が感想を発表。「未来を変える役目が私たちにある。平和な世界になるよう努力したい」と話しました。また中学生らは「戦争のない世界をめざします」と訴え、合唱などで思いを伝えました。