2005年3月6日(日)「しんぶん赤旗」
“なぜ逝った” 伝えたい
六本木ヒルズ空襲展始まる
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「東京大空襲展―今こそ真実を伝えよう」(主催東京大空襲六十年の会)が五日、東京・港区の六本木ヒルズ内「umu」で始まりました。
会場では、展示のほかに、バレーボール元日本代表の中田久美さんや女優の牧瀬里穂さんらが、戦争や平和、同展について語ったビデオも流され、多くの観覧者が訪れていました。牧瀬さんは「平和じゃないときのことを想像してみてください。真っ暗な気持ちになります。繰り返さないために私たちは何かができると思います。一緒に頑張りましょう」と呼びかけます。スタッフには、空襲体験者もおり、体験を直接聞くこともできます。
展示では、被災体験をもつ画家の狩野光男さんの連作画十点や空襲体験者の絵、亡くなった人たちの遺影のほかに、「父よ、母よ、きょうだいよ。なぜ逝った」と題した、孤児の手紙もあります。
また、「東京大空襲死者のゆくえ」のコーナーでは、どのように亡くなった人たちを埋葬していったのかが展示されています。棺おけに入れられた遺骨や仮埋葬のために集められた遺体などの写真もあり、同会によると「これまで一般の人が、見ることのできなかったもの」といいます。同時に現在、東京都慰霊堂にある、名前がわかる遺骨の名簿も閲覧できるようになっています。
展示を見に来ていた谷伸義さん(27)は「自分でも勉強してきたが、知らないことがたくさんあった。あまりにも悲惨。展示会など、もっとたくさん開かれるべきだと思う」と話していました。