2005年3月6日(日)「しんぶん赤旗」
“教育がニート生産”
中山文科相が「競争」あおる
中山成彬文部科学相は五日、松江市で開かれたタウンミーティングで、フリーターや、働かず求職も通学もしていないニートとよばれる若者が増えていることについて、「今までの教育に対して『競争は悪だ』とよくいわれた。今までの教育というのは、フリーターとかニートの予備軍を大量に生産していることに手を貸しているのではないかと思う」と述べました。
さらに、「社会は厳しいということを、子どものころから教えないといけない」「必ずしも競争ということを教育界から排除する必要はない」と述べました。
若者のフリーターや失業者、無業者が増大している背景には、大企業がリストラ競争で極限まで人員削減し、高収益をあげても新規採用を抑制していることがあります。小泉内閣は「若者自立・挑戦プラン」と対策を掲げますが、大企業に若者の採用拡大を求める政策は皆無です。
中山氏の発言は、若年雇用の対策はなおざりにするだけでなく、教育現場に原因を転嫁して、競争原理をいっそう強めようというものです。