2005年3月4日(金)「しんぶん赤旗」
米女優メリル・ストリープさん訴え
女性差別法の撤廃
各国は約束守って
一九九五年の第四回世界女性会議(北京)の行動綱領の実施状況に関する閣僚級会合が開かれている国連本部で二日、米国の女優メリル・ストリープさんが記者会見し、各国でいまだに女性差別の法律が残っているとし、撤廃、改定を訴えました。
ロイター通信によれば、ストリープさんは非政府組織(NGO)「平等を今こそ」(本部=ニューヨーク)を代表して発言。十年前の北京会議で百八十九カ国の政府が法律に残る女性差別を二〇〇五年までに撤廃すると約束したにもかかわらず、「ショックを受けるほど」この約束がほごにされていると述べました。
同団体が四十五カ国で実施した調査によると、三十二カ国で差別的な法律を撤廃あるいは改正していませんでした。
ストリープさんは「各国政府が自らの誓約を果たしていないことを深く憂慮する」と強調。差別的な法制度の一つとして、最低結婚年齢を女性十六歳、男性十八歳とし、離婚女性の半年間の再婚禁止を定めた日本の民法の規定を挙げました。ハイチやシリアでは「名誉」の名で妻を殺すことができ、ナイジェリアでは「矯正」の目的で夫が妻を殴打することが許されていると告発しました。
「平等を今こそ」のニューワース議長は、「『約束』と実際の行動とには大きな格差があり不合理すぎる」と語り、特別審査官を指名して変化を加速するよう国連女性の地位委員会に求めました。
また「平等を今こそ」は、戦争の結果、女性の権利が向上したとブッシュ米政権が吹聴しているイラクやアフガニスタンの現状に懸念を表明しました。同団体のシャマス理事は「イラクの家族法がより保守的な宗教解釈を奨励していることは非常に残念だ」とし、アフガニスタンについては「憲法は男女平等をうたっているが、裁判長は(女性排除の)タリバン思想の持ち主で、女性の権利に反対し、憲法違反の行動を取っている」と批判しました。