2005年3月4日(金)「しんぶん赤旗」

元副支店長に労災認定

過酷な勤務で自殺

人材派遣会社スタッフサービス大阪本社


 大手人材派遣会社「スタッフサービス」(グループ本部・東京)の元大阪本社副支店長で自殺した男性=当時(32)=について、大阪労働局は三日までに、長時間労働と過酷なノルマを課せられていたのが原因とする遺族側の主張を認め、労働災害と認定しました。同局は近く労働基準法違反容疑で同社と幹部数人を書類送検する方針です。

 同副支店長は二〇〇三年十二月に自宅アパートで自殺。生前、心療内科を受診し、医師に「売り上げが上がらない」「会社の拘束時間があまりにも長すぎ、苦痛で毎日がつらい」などと訴えていました。遺族にも「頭痛がする」「眠れない」ともらしていました。

 同社の就業規則では、労働時間は午前九時から午後五時半と定められていますが、実際には午前八時半から朝礼を行い、深夜十一時ごろ退社するのが通常勤務となっていました。土、日曜の休日も返上し、しばしば出勤していました。

 遺族は昨年四月、恒常的な残業と休日出勤にも割増賃金が支払われず、過酷なノルマを課せられ自殺したとして、労働基準監督署に告発、労災認定を求めていました。

 同社は「非常に貢献していただいた社員が亡くなり、遺憾に思っている。労働局の指摘を真摯(しんし)に受けとめている」と話しています。

 同社では先ごろ、組織的な残業代の不払いも発覚。大阪本社勤務の社員と退職者約三百八十人に、計二億八千万円を支払いました。


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