2005年3月3日(木)「しんぶん赤旗」

来年度政府予算案にたいする

石井副委員長の反対討論


 日本共産党の石井郁子副委員長が二日の衆院本会議でおこなった政府予算案に対する反対討論(要旨)は次の通りです。


 反対の第一の理由は、大増税・国民負担増路線を国民におしつけるものだからです。勤労者報酬が大幅に減少しているもとで、定率減税の縮小・廃止などで七兆円もの負担増をかければどうなるでしょうか。増税路線は大不況の引き金となった橋本内閣の経済大失政の二の舞いとなることは明らかです。

 定率減税は法人税減税、高額所得者減税とあわせ「恒久的減税」として実施されました。リストラなどで高収益を得ている大企業や大金持ちへの減税をそのままにして、庶民のための定率減税の縮小・廃止だけは断行する――国民がとうてい許せるものではありません。

 「老いも若きも負担増」――予算案のもう一つの特徴です。フリーター課税強化、国立大学授業料値上げ、「自立」の名での障害者への負担の強化、高齢者への住民税非課税措置の段階的廃止も行われようとしています。あまりにも冷酷な政治ではありませんか。社会的弱者切り捨ての政治が人の心をも荒廃させているのです。七兆円の負担増とそれに続く消費税増税路線をキッパリ中止すべきです。

 第二の理由は、勤労者・庶民に過酷な負担を迫る一方で、大型公共事業などの無駄が放置され、大企業・金持ち優遇政策の「聖域化」がはかられているということです。

 関西国際空港二期工事の推進は無駄の典型です。五・八兆円にのぼる道路特定財源も温存したままです。一方で、災害被災者の住宅本体再建への支援など、国民の緊急・切実な願いには背を向け続けています。

 無駄や不公平税制に大胆にメスをいれる改革にこそ踏みだすべきです。国民が望んでもいない「郵政民営化」を「改革の本丸」と称してすすめるなど本末転倒もはなはだしいと言わなければなりません。

 第三の理由は、本格的な海外派兵体制づくりをすすめ、九条改憲への地ならしを後押しする予算案だということです。

 予算案は、海外での活動を自衛隊の「本来任務」と位置付けた新防衛大綱、新中期防衛力整備計画を具体化するものとなっています。アメリカの先制攻撃戦略に沿って、米軍・自衛隊が一体で世界中に軍事介入できる体制づくりをすすめるもので、極めて重大です。アメリカでさえ見直しをはじめた沖縄・辺野古沖への海上基地建設の調査費など認められません。

 憲法九条の掲げる道こそ二十一世紀の国際社会が歩むべき本道であると確信するものです。「日本の誇り、世界の宝」である憲法九条を断固守り抜く決意を表明し、討論といたします。


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