2005年3月2日(水)「しんぶん赤旗」
出向解除し会社復帰
住友軽金属労働者が和解
名古屋高裁
子会社への強制出向は無効として、労働者が会社を訴えていた裁判で一日、原告を会社に復帰させる和解が名古屋高裁で成立しました。
訴えていたのはアルミ製品大手・住友軽金属工業に勤務する鈴木明男さん(59)。同社はリストラの一環として一九九四年十月、鈴木さんに子会社のスミケイ梱包(当時、現・住軽アルパック)への出向を命じました。
これにたいして鈴木さんは、子会社での深夜交代勤務や長時間・過密労働では健康を維持できないと命令を拒否。会社が鈴木さんの同意を得ないまま出向を強要したため、鈴木さんは九五年に名古屋地裁に提訴。〇三年に請求棄却された後、控訴していました。
和解では、会社は四月一日付で鈴木さんの出向を解除し、親会社に復帰させる、「一人職場」への隔離など今後一切の差別をおこなわないことなどを確認しています。
鈴木さんは「定年まで住軽で働くことができて良かった。リストラで会社を辞めさせられた千五百人の仲間の悔しい思いを胸に、引き続き職場の労働条件の改善に力を尽くしたい」と話しています。
竹内平弁護士は「道理のない業務命令をやめさせた点で、非常に大きな意義があります」と語っています。