2005年3月2日(水)「しんぶん赤旗」

戦争反対の決議案討議

全米初 兵士「家族の会」も声明

バーモント州の町1/5で


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 【ワシントン=浜谷浩司】イラク戦争の開戦二周年が迫る中、米東北部バーモント州の町々で一日に行われるタウンミーティングが注目されています。

 イラクからの米軍撤退をブッシュ大統領と米議会に求める決議が議題で、この戦争に対して住民が公式に意思表明する、全米でも初めての機会になります。

イラク戦犠牲者 人口比で全米一

 ニューイングランド地方のタウンミーティングは、年一回開かれる住民の最高自治機関。同州の約二百五十の町のうち、五十を超える町で同様の決議案が議題に取り上げられます。

 決議案の提出には住民の5%以上の賛成が必要で、そのための署名運動が数カ月にわたって取り組まれてきました。

 「戦時の大統領」を公言するブッシュ大統領。米政府の大方針であるイラク戦争に、地方から反対の声をあげることの意味が、署名活動を通じて絶えず問い直されてきました。

 決議案が議題に取り上げられた背景に、戦争に対する全国的な懸念の広がりがあることはいうまでもありません。同時に、同州の独自事情も影響しています。

 イラクに動員された予備役や州兵を住民一万人当たりで換算すると、同州は二十二・五人で、ハワイ州の二十六・〇人に次ぐ全米二番目。犠牲者数は人口比で全米一の高率です。同州ではそれだけ、戦争が住民に身近なのです。

平和活動家や住民の思いが

 タウンミーティング決議が象徴的な意味を超えることはないかもしれません。それにもかかわらず、ここまでこぎつけたことに、平和活動家や住民の思いがにじんでいます。

 イラクで死亡した米兵は、開戦以来千五百人を数えます。全国団体「声をあげる兵士家族の会」(MFSO)は二十八日、「正義でもなければ、正当化もできない戦争」で命を落とした兵士たちを「たたえる」とする声明を発表しました。

 同会には、戦場に送られた兵士の二千あまりの家族が参加しています。「イラク占領はそれ自身が問題であり、解決ではない」。声明はこう指摘した上で、全軍を帰還させ、「無謀な軍事的失敗を引き起こした政治」を終わらせるよう呼びかけています。


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