2005年3月1日(火)「しんぶん赤旗」
大型店進出の延期や縮小
「商調法」活用は可能
衆院予算委分科会穀田議員質問に
中小企業庁認める
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大型店の進出で中小小売店の経営に悪影響が及ぶ場合には、都道府県知事が調査をして、出店の延期や規模縮小などを勧告できることが二十八日、衆院予算委員会分科会で明らかになりました。日本共産党の穀田恵二議員の質問に中小企業庁が答えたもの。
大型店進出の際に活用できる法律は、小売商業調整特別措置法(略称・商調法)で、大型店と中小小売店の調整を行うもの。二〇〇〇年に大店法(大規模小売店舗法)が廃止され大店立地法(大規模小売店舗立地法)ができて以降、大型店出店の規制が実質的になくなり、各地で大型店の無秩序な出店ラッシュが相次ぎました。これにたいし、大型店の出店規制ができないかと、地方議会などで「商調法」の活用が可能かどうか、議論されてきました。
穀田議員は、奈良県と京都府との県境にイオンを核店舗とした大規模ショッピングセンターが進出する問題にかかわって、「商調法に基づく調査申請があった場合に、都道府県知事が調査することは可能か」と質問。
望月晴文中小企業庁長官は、「大規模店の出店に対して、調査の申し出があった場合、所管都道府県は、調査できる。『勧告』の規定も同様」と答えました。
予算委分科会 共産党5氏が質問
衆院予算委員会は二十八日、分科会を開き、日本共産党から五氏が質問にたちました。
高橋千鶴子議員は、核燃料サイクル政策について質問。全量再処理路線の方針にたち、「まず原発増発ありき」の国策が青森県民に苦しみを押しつけていると批判、安全性の確保を求めました。
石井郁子議員は、NPO(民間非営利団体)法人の認定と課税問題をとりあげ、認定手続きの簡素化やNPOが行う福祉事業にたいして非課税とするよう求めました。
吉井英勝議員は、奈良交通バス運転手の過労死問題と、タクシーの規制緩和で事故が増加し、労基法違反や不当労働行為が起きている問題で、厚生労働省に指導を求めました。
佐々木憲昭議員は、都市の生産緑地問題で、市町村合併にともなって政令市になった市街化区域内農地に宅地並み課税を行うのは不当だと迫りました。
穀田恵二議員は、京都府と奈良県境の高の原に計画されている「高の原ショッピングセンター」など、大規模店の出店ラッシュによる交通問題、教育への影響、地元商店街の営業など住民の不安にたいして必要な対策をとるよう求めました。