2005年3月1日(火)「しんぶん赤旗」
ベネズエラ大統領と緒方議員のTV対話
緒方議員 中南米で米は22連敗
チャベス大統領 もっと負けてるかも
【カラカス(ベネズエラ)=菅原啓】ベネズエラのテレビ番組「アロー・プレジデンテ」での大統領と特別招待者との対話では、日本共産党の緒方議員が最初に発言を促されて、チャベス大統領がアメリカの干渉と断固たたかうと強調したことに関連して発言しました。
緒方 興味深いリストがあります。それは、ラテンアメリカで米国が被った二十二連敗のリストで、地球の裏側にいる日本人が作成したものです。
チャベス (資料のタイトルを読み上げながら)この二年間で米国が二十二連敗。有益でタイムリーなものですね。でも、米国はもっと負けているのかもしれない。
緒方 (日本共産党綱領スペイン語版、『日本共産党新・綱領を読む』、『レーニン「国家と革命」を批判的に読む』などを差し出しながら)そして、これらは私たちの党の本と文書です。
チャベス これは、レーニンのことが書いてある本ですね。ありがとう。あなたはもうすぐ日本に帰るのでしょう。私はウルグアイのタバレ・バスケス(新大統領)の就任式に出席するためにもう出発しなければなりません。今回は改めて会う時間がなくて残念です。
チャベス大統領はこの後、何人かの招待者と話をした後に、最後にもう一度緒方議員との会話となりました。
緒方 あなたの本が昨年日本で出版されました。
チャベス それはどんな本ですか。
緒方 あなたの演説を集めたものです。
(大統領うなずく)
緒方 こうした本を通じて、日本でもベネズエラでの変革の事業が知られるようになってきました。
チャベス 私は近く日本を訪問することになるでしょう。
緒方 (握手をしながら)訪問を楽しみにしています。
緒方氏が紹介した米国連敗リストは、日本のラテンアメリカ研究者、新藤通弘氏がまとめた二〇〇三、四年の二年間に米国が二十一連敗したというもの。これに今年になって米国がメキシコの大統領選挙に干渉的発言をおこなって内相から内政干渉との抗議をうけたことを加えて二十二連敗としたものです。
このリストと不破議長が党の文献や著作の中でベネズエラとラテンアメリカの激動の情勢を描いた部分(いずれもスペイン語訳)は、番組会場に来ていた政府閣僚、外国代表の間でひとしきり話題になりました。遠く離れた日本でラテンアメリカに強い関心を寄せる動きがあること、また、詳細に情勢を把握していることに驚きの声が寄せられました。
政府要人の一人は、「われわれにとっても大変興味深いが、ぜひチャベス大統領に見てもらいたい」と述べるほどでした。チャベス大統領に手渡した資料には、新藤氏のリストと不破議長の著作の二つが含まれています。
二十二連敗とは、(1)チャベス政権打倒を狙った「石油スト」の失敗(2)チャベス大統領が国民投票で圧倒的な信任票を獲得(3)米州国防相会議でテロ・麻薬対策を口実としてアメリカが提案した多国籍軍設立構想が圧倒的多数で否決、などを含んでいます。