2005年3月1日(火)「しんぶん赤旗」
車爆弾 死者100人超
イラク 133人が負傷
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【カイロ=小泉大介】イラクの首都バグダッド南方約百キロのヒッラの医療センター付近で二月二十八日午前、就労適正証明の発行を待っていたイラク人の列に爆弾を積んだ車が突っ込んで爆発、現地警察の発表によると少なくとも百六人が死亡、百三十三人が負傷しました。米CNNテレビは死者少なくとも百二十五人、負傷者は最大で二百人と伝えており、犠牲者はさらに増える可能性があります。
一回の爆弾攻撃での死傷者数としては、二〇〇三年八月にイスラム教シーア派聖地ナジャフで百二十人以上が死亡したテロと並び、一昨年四月に米軍がイラク占領を開始して以降最悪の惨事となりました。
イラクでは一月末に暫定国民議会選挙が実施されましたが、事実上の米占領が続くなか、武装勢力の攻撃がやむ気配はありません。
ヒッラはシーア派住民が六―七割を占めます。爆発現場近くに市場があり死傷者多数を出しました。同地の病院には近郊のカルバラやナジャフから救急手当てのために医師が派遣されました。
この爆発の直後にはヒッラ北方ムサイブの検問所でも自動車爆弾が爆発し、警官一人が死亡、数人が負傷しました。
イラクでは二十七日にも各地で爆発事件などが相次ぎ、北部モスルでは武装勢力の銃撃でイラク人四人が死亡、二人が負傷、モスル近郊でも同日、爆弾の爆発でイラク人八人が死亡しました。バグダッドでは同日、道路脇爆弾の爆発でイラク警官二人が死亡しました。
米軍にたいする攻撃もつづいており、二十七日にはバグダッド南東で武装勢力の待ち伏せ攻撃で米兵二人が死亡、二人が負傷。二十六日には中部バビル州で戦闘により海兵隊員一人が死亡しました。