2005年2月27日(日)「しんぶん赤旗」

英国、最賃引上げへ

導入から6年で約40%増


 【ロンドン=西尾正哉】五月にも予想される総選挙を前にブレア英首相は二十五日、二十二歳以上の勤労者の最低賃金を十月一日から現行の時給四・八五ポンド(約九百八十円)から同五・〇五ポンド(約千二十円)に引き上げると発表しました。十八歳から二十一歳の最低賃金は四・一〇ポンドから四・二五ポンド(八百六十円)に引き上げられます。

 英国では一九九七年に政権についた労働党が九八年に全国最低賃金法を制定させ、九九年から最低賃金制度が導入されました。二十二歳以上が三・六〇ポンドで出発し、これまで定期的に見直されてきました。

 今回の引き上げの結果、導入から六年で約40%増になります。〇六年十月には五・三五ポンド(千八十円)に引き上げられる見込みです。

 ブレア首相は記者会見で、「強力で安定した英国の経済の恩恵は、どの勤労家族にも共有されるべきだ」とし、最低賃金の引き上げは「品位ある価値観の象徴」になると強調しました。

 政府は、この引き上げは百四十万人に影響が及ぶとし、その大半は清掃や美容などに従事する女性労働者になると指摘します。英労働組合会議(TUC)のバーバー書記長は声明で、「企業のもうけが上昇し役員賃金が控えめになる兆しも見せないときに、政府が経営者の(最低賃金)凍結の呼びかけを拒否したのは正しい」と政府の引き上げを歓迎しました。



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