2005年2月26日(土)「しんぶん赤旗」 宇宙開発予算 ピンはね受注13社設立の請負会社吉井議員指摘
二十六日に打ち上げられるH2Aロケットをはじめとした宇宙開発契約にかかわり、発注者と受注者が一体で価格を水増しし、介在する請負会社がマージンをピンはねして巨額のムダ遣いをしている―。日本共産党の吉井英勝議員が二十五日の衆院予算委員会分科会で、年間三千億円の宇宙開発予算をめぐるムダ遣いの構造を明らかにしました。 吉井氏が取り上げたのは、国からロケットや人工衛星の製造、開発を請け負う独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)。この仕事を三菱重工など宇宙産業十三社が設立したロケットシステム(RSC)という会社が請け負い、設立した企業に下請け発注するしくみです。宇宙開発契約は競争に適さないとの理由ですべて随意契約となっています。 RSCの請負契約金額は二〇〇〇年からの四年間で二百四十一億円ですが、RSCからメーカー各社に丸投げされた請負金額は二百二十一億円で、二十億円がRSCにおちる形です。吉井氏は「国の仕事を請け負い割り振るRSCは“談合元締め会社”という性格であり、その談合手数料が二十億円という見方もできる」とただしました。 文科省の坂田東一研究開発局長は「RSCは各社が分担した仕事をとりまとめるシステムインテグレーションの役割を果たしており、談合とは思っていない」と答弁。 吉井氏は、文科省の審議会である宇宙開発委員会の報告がRSCについて「自ら製造現場を持たず、技術力、人材、経験において能力に限界がある」と指摘していることを示し、「科学技術に名を借りて巨額の研究開発予算のピンはねが行われていることは認められない」と批判しました。 |