2005年2月25日(金)「しんぶん赤旗」 食の「安心」削る財界・外食産業の意向政府基本計画 高橋議員が質問衆院農水委当面の農政の目標である「食料・農業・農村基本計画」の見直しで、BSE(牛海綿状脳症)国内発生以来の農政の大スローガンとなってきた「食の安全と安心の確保」から「安心」の文言が削除されたことが明らかになりました。日本共産党の高橋千鶴子議員が二十四日の衆院農林水産委員会で取り上げ、「安心」削除の背景に、財界・外食産業の強い意向が働いていたことを指摘しました。
農水省はBSE問題などを受けて二〇〇二年四月に発表した「『食』と『農』の再生プラン」で「食の安全と安心の確保」をうたったのをはじめ「安全・安心」を政策の中心に置いてきました。 ところが、同省が二十二日に発表した「基本計画」の見直し骨子では、「安心」の文字が消え、「消費者の信頼」という言葉に置きかえられました。 高橋氏は、政府の諮問機関である「食料・農業・農村政策審議会」が〇四年三月に開いた「企画部会」で、日本経団連理事、すかいらーく社最高顧問、日本フードサービス協会会長を務める横川竟(きわむ)氏が、「『安心』は削って『安全』だけにしていただきたい」と発言をしていることを指摘。「業界の、影響力の大きい人の発言一つで変わったということか」「農政の基本方向の明確な変更になる」とただしました。 島村宜伸・農林水産大臣は「文字は消えても、消費者に安心して召し上がっていただくという基本的な気持ちは消えていない」と答弁しました。 高橋氏は、横川氏がBSE対策をめぐり「『安心』の基準は人によって異なる」として米国産牛肉輸入解禁を主張していることにふれ、「こういう視点では、国が安全という基準を決めたら、あとは個人の問題だから、添加物がどうか、原料原産地はどこかとか、必要ないということになる」と批判しました。
食料・農業・農村基本計画 一九九九年に制定された食料・農業・農村基本法にもとづき、当面の農政の目標を「基本計画」として閣議決定するもの。五年ごとに見直しをし、今年三月末までに「見直し基本計画」をまとめることになっています。 |