2005年2月24日(木)「しんぶん赤旗」 内部告発の社員勝訴富山地裁報復違法 トナミ運輸に賠償命令運輸業界のヤミカルテルを内部告発したため、報復として三十年近く昇格・昇給を見送られ、隔離状態も体験したとして、大手運送会社「トナミ運輸」(富山県高岡市)社員串岡弘昭さん(58)が同社を相手取り、約五千四百万円の損害賠償と謝罪を求めた訴訟の判決が二十三日、富山地裁でありました。 永野圧彦裁判長は「報復として、ほとんど雑務しか仕事を与えず、昇格を停止して、不利益な取り扱いをした」と認め、時効分を除く賃金格差分約千三百五十六万円を支払うよう同社に命じました。基本的な事実関係について、原告の主張がすべて認められた勝利判決となりました。 内部告発をめぐっては昨年、公益通報者保護法が成立。告発者をある程度保護しようとの流れが生まれ、串岡さんは告発のパイオニアとして注目されました。同裁判長は「原告の内部告発は正当な行為で、法的保護に値する」と述べました。 訴えによると、串岡さんは同社岐阜営業所に勤務していた一九七三年、大手運輸業者で結んだヤミカルテルの撤廃を会社側に直訴。翌年、公正取引委員会に告発しました。七五年に同社の教育研修所に異動となり、昇格・昇給のないまま、現在も勤務しています。 |