2005年2月23日(水)「しんぶん赤旗」

過労死防止には7時間睡眠必要

労働科学研


 日本労働弁護団は二十一日、東京都内で「睡眠衛生学の観点からみた労働時間規制のありかた」と題した講演会を開きました。講演した労働科学研究所の佐々木司研究員は、過労死など脳・心臓疾患を防ぐには質のよい睡眠を適切にとることが重要だと研究結果をおりまぜ指摘しました。

 佐々木氏は、一日の睡眠時間が五時間未満になると心拍数があがり脳・心臓疾患の危険が高まることから、五時間以下の睡眠を過労死認定基準は問題としているが、連続すると五時間でも危険が高まり、六時間でも心臓に悪影響が起こる事例があると指摘しました。

 さらに同氏は、今日、裁量労働制のもとで「たくさん働き、まとめてたくさん休めばいい」という主張があるが、長時間過密労働に体が慣れると休息に入ったとき突然死する場合があると強調。必ず、一日七時間以上の睡眠を確保すべきだと主張しました。

 また、七時間の睡眠を確保しても(1)長時間過密労働(作業後すぐに眠れない)(2)二十四時間労働(昼間の就寝は人間の生体リズムに反し眠りが浅い)(3)神経=感情労働(就寝前や起床後にストレスがあると眠りが浅い)―の場合は、睡眠の質が落ち疲労回復が不十分になると述べました。

 これらから、勤務時間内の休憩などで疲労回復することを原則に、一日の自由時間を確保し、生体リズムや睡眠覚醒(かくせい)リズムにかなった労働時間規制であるべきだとしています。



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